メディアデザイン実習B   class 1                

松崎淑子

Today’s class includes ZOOM Session. Please join at **13h30**.

WEB LESSON:

メディアデザイン実習B   CLASS  1 

(Introduction to principles of audio. Physics of sound)

メディアデザイン実習Bでは、『音の原理』『物理的観点からの音』『音楽的観点からの音』について考え、それぞれ関連作品を学びます。

また、音響合成ソフトウェアを使い、携帯電話等で録音した音源を元に、オーディオアート作品を制作し、最終課題として提出します

      • 音とは何か

音とは物体の響きや話し声といった「振動」が空気などの媒体をつたわって伝播していく。空気の場合、平均の圧力である大気圧を基準として「高い」と「低い」部分が、波として伝わっていく現象が「音」である(水や、金属等でも音は伝わる)。

空気には重さがあり、これも振動が「波」として伝わるという現象と大きく関わっている。これはちょうどバネが伸び縮みする性質に似ている。

時間あたりの振動の波の数を「周波数」と呼ぶ。

私達は鼓膜の振動によってそれを感じているが、人間に感じられる周波数の幅は限られており、耳には聞こえない高周波・低周波というものがある。

(※)【参考】水中は空気中より5倍近く速く音が伝わる。

      • 空気中を伝わる音の速さ:340メートル/秒(温度や気圧で変化する)
      • 水中を伝わる音の速さ:1500メートル/秒
      • 鉄を伝わる音の速さ:5950メートル/秒

なぜケーブルで音が伝わるのか?

「音の波を電気の波に変換→→電気の波を音の波に戻す」

ということが行われている。

マイクやスピーカーも同様の原理で「空気振動<=>電気信号」という変換を行っている。

(ダイナミック)マイクの場合

      • 波形

波形は音波だけでなく、電磁波などさまざまな「波動」の伝わり方を表す。音の波を表す波形の場合は、横軸が時間的な変化を、縦軸が量(大きさ)を表す。下記の図は音を波形編集ソフトで表示したもので、このように「音」を目で確認できる。波形の例:音楽を波形表示

      • 音の三要素
      • 音の高さ
      • 音色
      • 音量

これを音の3要素という。シンセサイザーはこの音の三要素を自由にコントロールして音色を作ることができる。

音の高さ

1秒あたりの「周波数」はHz(ヘルツ)という単位で表すことができる。

これは20Hzの音。この図の表示範囲はちょうど1秒になる。

1秒間に波形の山が上下する1周期、コレ↓

この山と谷が一組になったものが、1秒でどれだけ振動するかで周波数が決まり、上記の図の場合は1秒間に20個あるのでこれは「20Hz(ヘルツ)」

もし1秒間に20,000回だと20,000Hz。2万ヘルツは20kHz(キロヘルツ)ともいう。※図では2万も波形表示できないので一部表示

そして人間が聞くことのできる周波数は15Hz~20,000Hz(20kHz)といわれている。この範囲以外の音は、低いものは振動として「感じ」られ、高いものは超音波と言われる場合がある。

1KHz サイン波

なお「15Hz~20,000Hz(20kHz)」という周波数帯域を「可聴域」という。可聴域には個人差があり、またこれは年齢で変動し、たとえば20代を過ぎる辺りから、人は徐々に高域が聞こえなくなってくる。

音色

音色

先ほどの波形の図示した音は純音と呼ばれており、波の形(波形)は「正弦波(サイン波)」という。聴力検査やNHKの時報で使われている「ポー(ピー)」もサイン波である。

非常にシンプルな見た目のこの純粋なサイン波は、実は自然界にはほぼ存在しない。

アナログシンセサイザーの場合アナログ・シンセサイザーだと「ノコギリ、サイン、矩形」といったこの元になる波形タイプが用意されていて、それを元に音色を作る仕組みになっている。

ノコギリ波

矩形波(くけいは)

【サイン波 ~ ノコギリ波 ~ 矩形波 聴き比べ】

これらの波形ですが、それぞれ

      • サイン波:フルート系
      • ノコギリ波:バイオリン系
      • 矩形波:クラリネット系   の様な感じ。

そしてシンセサイザーではフィルターという機能で音色を変化させていく。

ただ、アナログシンセの場合、音色作成は基本フィルターで「削る」だけなので、複雑な波形は生み出すことが困難である。

音量

音量は「音の強さ」をあらわすもので、音によって生じる「音圧」と密接な関係がある。単位はdB SPL(デシベル・エスピーエル:略して単にdBと呼ばれる。

下図の上下の波形は元々同じ音であるが、下の波形の「音量」が大きくなっている。つまり波形で見た場合、縦幅が大きいほど音量が大きい。

class 1        レポート

・音とはなんですか。また音はどんな要素から成り立ち、決定されるかを400 字程度で説明して下さい。

(注意事項)
この授業はオンデマンド形式で、全授業でレポート課題が出ます。レポートは評価の重要な要素ですので必ずMaNaBo で締め切りを確認しそれまでに提出して下さい。締め切り以降は提出されても未提出扱いになります。また単にコピーペーストのレポートは減点の対象になりますので呉々も気をつけて下さい。
提出は、word file で、タイトルは『class ○(今回ならば class 1)/ 学籍番号/名前』とし、MaNaBo のレポートに提出して下さい。本文にも同様にタイトル/ 学籍番号/名前 を入れて下さい。

音の学習に続いて、音響編集ソフトウェアについての説明に移ります。

class 1        Assignment

Audacityをダウンロードして下さい。

Audacityはフリーの音響編集ソフトウェアで、Windows、Mac、Linuxで使えます。

Audacityはフリーソフトウェアで、レジストレーションやハードウェアを購入する必要はありません。課題制作用に使います