メディアデザイン実習B   CLASS  2       

The New Piano

John Cage

アンドレア・ノイマンによるプリパレーション (2010年)

プリペアド・ピアノ または プリペアード・ピアノ(英: prepared piano、文字通りには「準備されたピアノ」の意)は、グランドピアノの弦に、ゴム、金属、木などを挟んだり乗せたりして(これを「プリペアする」「プリパレーションを施す」などという)音色を打楽器的な響きに変えたものをいう。このようにすることで、ピアノ本来の音色が失われ、金属的な音や雑音の多い独特な音が得られるほか、多くはその音の高さも幾分不明瞭になったり、元の高さとは異なる音高となったりする。

プリペアド・ピアノは、ピアノに手を加えたものではあるが、ピアノという楽器の或る状態を指すのではなく、ピアノとは異なる独立した一つの楽器として考えられている。ただし、プリペアする音の数が非常に少ない場合は「幾つかの音にプリパレーションを施したピアノ」という位置づけになり、その境界は必ずしも明確ではない(準備・演奏の欄を参照)。

プリペアド・ピアノは、ごく普通の1台のピアノを安価な素材でプリペアするだけで多様な響きを持つ打楽器群を使用するのに近い効果が得られるという大きな長所があり、現代音楽の分野ではよく知られた楽器である。

なお、アップライトピアノは弦が鉛直方向に張られているためにこれをプリペアド・ピアノとして用いることは困難で、普通は行われない。

歴史

プリペアド・ピアノは作曲家ジョン・ケージが1940年に「発明」したものである。舞踊家 Syvilla Fort (1917-1975) にダンスの付随音楽を委嘱されたケージは初め打楽器アンサンブルの使用を考えたが、公演場所のスペース上の制約から打楽器を大量に使用することができなかったためピアノで代替せざるを得ず、その作曲を進める中でこの楽器を考案するに至った。この時の作品は「バッカスの祭」(bacchanale)である。

Henry Cowell (ヘンリー・コーウェル)

ヘンリー・コーウェルは、1930年代半ばから急進的な作曲法に挑戦し、この時代の重要な作品と称される、彼の表現の中核を成すソロピアノ作品を発表した。Banshee(1925年)では、ピチカートや弦の上をサッと動かしたり擦る奏法、又Tiger(1930年)では、音の集団をピアニストが腕全体で弾くなど様々な演奏方法が求められた。コーウェルの評価は殆どこの独特のピアノ奏法についてで、1932年のSF newsでは、『名高い‘トーンクラスター’は今までアメリカ人がこの音楽の分野では成し得なかった、おそらく最も驚くべき独特の表現方法である。』と評した。

MUSIC SCORE: Henry Cowell: The Banshee

Margaret Leng Tan

マーガレット・レン・タンはプロのトイピアニストとして知られる。51cmのトイピアノをもって、世界中で演奏を続ける。6歳でクラシックピアノのレッスンを始め、奨学金を受けジュリアード音楽院に進学、女性初の博士号を取得する。

1981年にジョン・ケージと出会い、彼の晩年11年間共に仕事をした。

トイピアノ(toy piano)は、鍵盤楽器ピアノを模して作られた子供向けの玩具現代音楽などで楽器として用いられることもある。1872年にフィラデルフィアで、ドイツからの移住者アルバート・シェーンハットによって開発された。

大きさはピアノより小さく(大体が高さ70cm以下)、外枠はプラスチック製あるいは木製。

ピアノは弦をハンマーでたたいて音が出るが、トイピアノは弦ではなく金属棒又は金属管が用いられる。ハンマーは、鍵盤付きグロッケンシュピールと同じ様な仕組みで鍵盤と繋がっていて、金属独特の輝きのある音色を出す。

そもそも玩具として考案されたトイピアノであったが、音楽作品に用いる試みもなされた。ジョン・ケージが「トイピアノのための組曲」を作曲してから、デアリ・ジョン・ミゼルなど多くの現代作曲家に正当に使われる楽器となっている。マーガレット・レン・タン、イザベル・エッテナウアーなど、「トイピアノの為の作品」を公募してリサイタルをするピアニストもいる。

(Note)

YouTubeを見る時は、右下の設定から日本語の字幕を見る事ができます。

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Margaret Leng Tan from Roulette Intermedium on Vimeo.

Class 2       レポート

・プリペイドピアノやトイピアノなど、既存のピアノとは異なるアプローチでのピアノを使った作品について、印象に残った点を400字程度で述べて下さい。

(注意事項)

この授業はオンデマンド形式で、全授業でレポート課題が出ます。レポートは評価の重要な要素ですので必ずMaNaBo で締め切りを確認しそれまでに提出して下さい。締め切り以降は提出されても未提出扱いになります。また単にコピーペーストのレポートは減点の対象になりますので呉々も気をつけて下さい。

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